放射能漏れを止めるため、非常手段を視野に

Le Japon envisage des mesures déséspérées pour enrayer les fuites rétroactives à Fukushima

LEMONDE.FR avec AFP et Reuters Mis à jour le 30.03.11 | 17h00
ル・モンド、AFP、ロイターと共同 2011年3月11日17時更新

http://www.lemonde.fr/japon/article/2011/03/30/le-japon-envisage-des-mesures-desesperees-pour-enrayer-les-fuites-radioactives-a-fukushima_1500473_1492975.html

30日(水)、日本では福島第一原発放射性物質の放出を減らし、何トンもの汚染された水を排出するため、あらゆる手段が検討された。

3月11日以来、何千トンもの海水が昼夜を問わず、原子炉に降り注がれた。その海水は、塩分が腐蝕を助けるため、最近になって淡水に転換されている。こうして原子炉を冷却し、炉心溶融を止めようとしてきたのだ。しかし、この放射能で汚染された膨大な量の水は、機器室や地下の設備用ギャラリーに浸透し、すぐそばの太平洋にまで流れ出していた。この海側では、放射性のヨードの濃度は、海水の基準値の3300倍以上に達している。

奮闘を始めてからもうすぐ20日になる技術者たちは、悪循環に直面している。原子炉を冷却しなければならないが、水を使えば使うほど汚染される範囲が拡大する。しかし、注入する水の量を減らせば、原子炉の温度は上がってしまうのである。

原子力安全・保安院は、この水曜日、いままでに例を見ない手段に訴える時が来たと判断した。「われわれは前例のない状況に直面しているため、通常では用いられないような戦略を考える必要がある」と責任者はAFPに語った。


原子炉を覆え
東京電力は高濃度の放射能をはらんだ液体を排出するため、タンカーを用いるとともに、6つの原子炉のうち、被害を受けた三つの建屋を特殊な素材で出来た屋根で覆って、放射性物質を含む蒸気の放出を防げないかを検討している。木曜日からは、放射性物質の拡散を減らすため、現場にゴムを敷き詰める作業が開始される予定である。

一方、現場の操業者である東京電力は、フランスの原子力複合企業体、アレヴァの助力を受け入れ、その社長であるアンヌ・ローヴェルジョンが3人の専門家とともに東京に到着した。これは日本のチームに対して、特に汚染水の処理についての技術的な支援をするためのものだ。アメリカのエネルギー省も、日本のチームのために、被爆に耐えるロボットを提供した。このロボットによって、放射能の数値が高すぎるところでも、原子炉についての情報を得ることができるようになる。


エネルギー政策の転換
日本政府は、この水曜日、福島の原発と同様の災害をもたらすことのないよう、国内の50の原子炉についての緊急点検を命じた。原子力は日本にではいまだに重要なエネルギー源にとどまっているが(30%)、海江田万里経済産業大臣は、国はエネルギー政策を見直すため、専門家の意見の聴取を始めようとしているという。日本のエネルギー政策全体の見直しが必要であり、その際、太陽エネルギーが重要となるだろう、と大臣は補足した。

原子力発電所周囲の退避区域は、現在のところ20キロメートル四方である。政府は、さらに20〜30キロメートルの区域の住人にも自主的な退避を推奨している。しかし、この数日来、環境保護団体グリーンピースは、この区域外で警戒すべき放射能の値を検出しており、この区域をさらに10キロメートル拡大し、とりわけ妊婦と子供を優先的に退避させることを当局に求めている。


社長不在、株価暴落
チェルノブイリ以来最悪の原発危機の当初から、姿が見えないことが批判されてきた東京電力社長、清水正孝(66歳)は、火曜日、高血圧のため入院したとメディアは報じている。地震発生後5日の3月16日に発病した清水氏は、一週間の休みをとった。その際、清水氏は、政府と東電が設置した原子力災害対策本部を辞さざるをえなくなっていた。

福島の状況の悪化、放射能漏れによる海と周辺地域の汚染、見通しのつかない原発の安定化、さらに東京電力が直面する補填すべき損失と損害賠償のため、投資家たちの不安は頂点に達している。東京電力の株価は、水曜日、ふたたび東京株式市場で一日の取引に定められている下げ幅を上回り、同日だけで466円(−17,66%)の下落を見せた。三月十一日以来、これで東京電力の株価はおよそ78%下落したことになる。政府は、この企業の部分的な国有化もなしとはしないとしている。


(trad. KO)


参考1:「原発増設計画見直し」http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/manda/20110330-OYT8T00483.htm
参考2:「原発輸出に引き続き意欲=海江田経産相http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110330-00000133-jij-pol
参考3:「東電、清水社長入院で財界人事にも影響」http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/30/kiji/K20110330000534230.html
参考4:「東電力は売り気配、4営業日で57%の大暴落、一時的国有化説も」(3月16日付)http://www.toyokeizai.net/money/markett/detail/AC/4d484b8b02dc99f0e4bb9cd4e5855204/
参考5: 東電(部分的)国有化=公的資金による救済策についてhttp://www.nytimes.com/2011/03/30/business/global/30tepco.html