ポスターと原子力


http://japon.blogs.liberation.fr/magnitude9/

Libération 20/04/2011
リベラシオン 2011年4月20日

Erikoエリコ


地震津波からしばらくして、たくさんのポスターを集めた新しいインターネットサイトが現れた。そのポスターのほとんどは、国の復興と電気の節約を訴えるものだ。被災地の生産物を消費するよう呼びかけたり、福島の住人に対して偏見を持たないよう呼びかけたりするものもある。インターネットの利用者は、このポスターを無料で印刷したり、ダウンロードしたりして、職場や自宅で使えるようになっている。
参考:復興支援ポスター配布サイトhttp://pstr.jp/


最近になってできた「復興の狼煙」というもう一つのサイトでは、岩手県の被災者たちの大きな写真を提供している。このプロジェクトは、災害の後、岩手と福島を訪れた写真家の馬場龍一郎が立ち上げたものだ。
参考:復興の狼煙ポスタープロジェクトhttp://fukkou-noroshi.jp/


ポスターと言うと、経済産業省文部科学省が主催し、日本原子力開発財団が協賛するコンクールのことも考える。主催者はこのコンクールの目的を明言している。原子力エネルギーが、「地球温暖化対策としても重要な役割を担ってい」るのを示すこと。
参考:経済産業省「第17回原子力ポスターコンクールの受賞作品発表について」http://www.meti.go.jp/press/20101105004/20101105004.html


最近のコンクールの応募要項には、こんなメッセージがある。
―「大切な電気をつくる原子力発電」
―「石油や石炭、天然ガスを燃やすと、二酸化炭素が出ます。[…] 原子力発電で使うウラン燃料は、発電の時に二酸化炭素を出しません。」
―「リサイクルできるウラン燃料」
―「原子力発電所で使い終わった燃料のうち再利用できない約5%は「高レベル放射性廃棄物」といい、いわば原子力発電所から出る電気のごみで、強い放射線を出します。人のくらしや環境に影響が出ないように、 東京タワーの高さより深い地下へ処分することにしています。」
参考:第17回原子力ポスターコンクール応募要項www.mext.go.jp/b_menu/houdou/.../1294983_01_1.pdf


2009年に賞をとったのは、10歳の男の子と13歳の女の子の描いたポスターだった。この幼い男の子のポスターには、こう書かれていた。「ぼくたちのみらいを運ぶ原子力」。


子供たちに原子力の効用を擁護させるのは、幼い頃から洗脳するのとかわらない。でも、それも国家の側からすれば合理的な選択ではある。なにしろ、原子力発電所を運営し続けなければならないのは、次の世代の子供たちなのだから。かつてこのコンクールに参加した子供たちは、大人になったいま、何を考えているだろう?


政府が中止しないかぎり、今年、このコンクールは第18回を迎えることになる。既にいくつかのNGOが、中止を求めて署名運動を始めてはいるのだけれど.....


(trad. KO)


原子力ポスターコンクール、その狂気の世界http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20101129/p1
原子力ポスターコンクール中止要求署名(5月31日まで)http://i-wind.jp/stop_nuke/index.php


5.7 原発やめろデモ!!!!!!! 渋谷・超巨大サウンドデモ
14:00 渋谷区役所前交差点集合!
15:00 前代未聞の超巨大デモ!!!!!
http://57nonukes.tumblr.com/